受粉の助っ人

今回はさくらんぼの開花時期と受粉を促進するスーパー助っ人にフォーカスします。  


さくらんぼは違う品種から受粉しないと実がならないというのは前回のお話でした。 

受粉を左右する要因として、遺伝子の違いだけでなく、「開花時期」もかかわってくるのです。 さくらんぼは品種によってすこしずつですが花が咲く時期が違い、それにあわせて花粉が飛ぶ時期も微妙にずれます。 そうなると、佐藤錦が咲くころには他の花粉がとんでいないなんてことも・・・  


そうならないために、すがはら家では「紅さやかという品種を一定間隔で植えています。この紅さやかは佐藤錦とほぼ同時期に開花し、因子も異なるため受粉樹としてはもってこいです。 


さて、受粉樹が同時期に咲くだけでは、花粉を運ぶ手段に乏しいのでなかなか受粉しません。 

受粉の方法としては筆のような道具を使って人工的に受粉を促進する方法がありますが、 高い樹にも受粉をしなければならないため、人手を要する作業で結構な重労働です。


そこで登場するのがスーパー助っ人の蜂です。 

すがはら家では「ミツバチ」と「マメコバチ」に手伝ってもらっていますが、今回は「マメコバチ」をご紹介します。 


マメコバチはミツバチよりもやや小さい蜂で、やかぶき屋根などにも用いられるヨシなどの細長い穴を好んですみかとします。 花粉団子とつくり産卵するという習性をもつため、花を求めて飛び回ります。 この飛び回る時期が山形ではさくらんぼの開花とほぼ同時期で、行動範囲が30m程度、人を刺さないと助っ人にはもってこいの蜂なのです。 


すがはら家ではマメコバチが生活しやすいように畑の中に巣づくりのためのヨシを準備しています。また、さくらんぼ開花前後にはマメコバチ用の餌が少ないことから、菜の花をさくらんぼ畑に植えるなど、彼らが存分に活動できる環境づくりにも力を入れています。



餌源となる菜の花とさくらんぼ畑


マメコバチの巣箱


巣となっているヨシ。白い詰め物は産卵後、マメコバチが土で蓋をした場所です。

この中で新たな世代が孵化し、春から仕事をしてくれます。


すがはら家のさくらんぼ

わたしたち菅原家は山形県東根市でさくらんぼ農家を営んでいます。 菅原家はさくらんぼ狩りを実施するような観光果樹園ではありません。 その分、ひとつひとつの実の育成状況を見極め、最高の状態でみなさまに送り出すことができます。 ブログではさくんらぼの育成状況や豆知識などを発信してまいります。 ご購入は上部「SHOP」よりお願いいたします。

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